日本ラグビー、歴史的勝利の目撃者となる!!(3)

2016/05/07 11:44 旅行・祭り , イベント
この話はこちらから続いています。
夜中に突然目を覚ました。
喉が渇いていたので、買ってきた水を飲んだ。すぐには寝付けなかったので、PCを開いた。今度は無事ネットに接続されたのを確認し、再び眠りについた。
朝6時に起きる。
どんなに遅く寝ても、年を取ったせいか、必ず6時過ぎには目覚める。暇なのでネットに繋ごうとしたら繋がらない。再度アクセスし直してもエラーが出る。PC自体を再起動させても状況は変わらない。またまた途方に暮れた。
結局場所を変えたりしながら1時間近くチャレンジしたが、無駄だった。フロントに言おうと思ったが、どうせ分からずに私のPCのせいにされるのがオチなのでやめにした。
もともとその日の朝は、ノートPCのヒンジの具合が悪い(カバーを開けると液晶画面が少しずつ後ろに倒れていく)ので、秋葉原のPC工房に行く予定だった。そこで原因を確かめようと考えた。
先月と異なり靴箱に靴はしっかりあった。
というより、当然フロント係がキーを持っていたので、前回のように「靴がない私はどうやってラグビー場にいけばいいの??」という事態にはならなかった。
一度目は無くなった靴の捜索。二度目はネットが繋がらず。
よほどこのカプセルホテルと私の相性は悪いようなので、安いのは魅力だが次回からここに泊まるのはやめた。
PC工房ではヒンジの修理ができなかった。
仕様の範囲内(すなわちこの程度のものは許容範囲内)と言われた。
でもね、あなた。少しずつ画面が後ろに傾いていくんだよ。その度に元に戻さなければならない。それが「仕様の範囲内」と言われてもねえ。
最近の日本電機メーカーの製品に関する矜持に対して疑問を持ったが、そんなところで言い争いをしていると、またラグビーに遅れそうになる。
秋葉原を後にして早稲田に向かった。
ここでも同じ轍は踏まない私である。何十年振りかで、“モヤチャーダイ(もやしチャーシューメン大盛り)”以外のものを注文した。とは言っても、“ダイ”をやめて“モヤチャー”にしただけのことだが(笑)。
 

これが”モヤチャーダイ”ではなく、単なる”モヤチャー”。面が普通盛りになっただけなので、見た目はほとんど変わらない。下に隠れている麺の量が少ないだけ。たしか730円。それにしても、またこの写真を見ていると無性に食べたくなってくる。
 
今回は充分時間に余裕を持って、秩父宮に到着した。
その前の試合で、サンウルブズは92対17という屈辱的な大敗を喫していた。開幕から7連敗になったこともあり、今回の観客数が大幅に減るのでは? とラグビー関係者の間では心配されていたが、それほどでもなかった。
 

前回同様、正門前は黒山の人だかり。やはり若い人が多かった。
 
ただしバックスタンドには集団でまとまって空いている席が散見された。
あとで確認すると、スポンサーがお得意先に配った席らしい。前のほうの見やすい席もあり、もったいないと思う。あの席が空いているなら行きたいと思ったラグビーファンもいたはずだ。その辺りの協会側の運営課題はまだまだ山積している。
 

こんな感じで前のほうにもまとまった空席が見られた。もったいない。
 
対戦チームのジャガーズというのは、ほぼアルゼンチン代表で固められたチームだ。サンウルブズと同じように今年からスーパーラグビーに参戦している。
私はラグビーを真剣に見るようになってからもうすぐ40年になる。
ラグビーのホームページを作り始めてからでも、来年で20年だ。その間、多くの素晴らしい選手を見てきた。
観戦記を書く場合は、なるべく公平かつ公正な目で書くように心がけていたので、母校の選手や日本代表の有名選手でも、特に誰かのファンという意識はさほど持たなかった。
感動的なプレーをした選手は称賛したし、気を抜いたプレーをした選手には辛辣なことも書いた。それ故に、プレー自体で印象に残ったものは山ほどあるが、かと言ってそのプレーをした選手のファンになったかというと、そういうわけでもない。
客観的な視点が損なわれるので、敢えて特定の選手のファンにならないように努めていた部分もある。そのプレーを褒めた日本代表の選手から「ありがとうございます」などというメールをもらった時には困った。それ以降の試合で彼がまずいプレーをした時に、悪いことを書きづらくなるからだ。
先日、突然知人に「○○さんはラグビー選手で誰のファンですか?」と訊かれたときにも、すぐには答えられず言葉に窮した。
自分でも「誰だろう?」とあらためて考えた。
そのとき散々頭をひねった結果、最も印象に残っている選手として、ジャガーズスタンドオフであるルイス・エルナンデスが思い浮かんだ。
2007年のワールドカップ
その大会でアルゼンチンは素晴らしい活躍を見せ、最終的には3位になった。
以下は、そのとき予選リーグの試合(プールDの最終戦、アルゼンチン対アイルランド戦”30対15でアルゼンチンが完勝”を見て書いたHPの文章です。
まとめ直すと時間がかかるので、そのまま掲載します。
アルゼンチンのHB団は見ているものを唸らせる。
早く正確で長いパスを放り、自在にFW、バックスを操るSHのピチョット(国民性なのだろうが、レフェリーへのアピールが多すぎるのがちょっと気がかり。日本で岩下レフェリーが笛を吹く試合だったら絶対イエローもらうだろうなあ、と思いながら見ているのだが)。
そして超ロングキック。
どこまで上空に上がっているのかテレビでは想像できない高いハイパントや、様々な種類のキックを状況に合わせ蹴り分け、なおかつそのキックを自らキャッチしたりとNZのダン・カーター、イングランドのウイルキンソンと遜色のない力を見せるSOエルナンデス(資料によれば、12、13歳まではサッカーでプロ契約を希望するチームがいたというくらいで、あのような完璧なキックを蹴るのは当然か)。この試合でも右で2本、左で1本と3つのDGを簡単に決めてみせた。
力強くて走りまくれるFWとタレントだらけのバックス陣。
この勝利でグループ1位通過を決めたアルゼンチンは、一躍今大会の台風の目に踊り出た。準々決勝ではスコットランドと当たる。スコットランドも意地を見せるだろうが、アルゼンチンの勝利は固いのではないか。
今、個人的に一番見たいのは、このチームがオールブラックスと対戦したらどんな試合になるのだろう、ということだ。それほど、今回のアルゼンチンは見て楽しい胸踊るチームになっている。
と書いたように、私はこのときエルナンデスのプレーを見て虜になった。是非来日してもらい生のプレーを見たかった。
秩父宮ラグビー場のすぐ脇には20数階建ての伊藤忠商事の本社ビルがある。
彼のキックがそのビルの何階の高さまで上がるのか確かめたかったのだ。
できうれば、ビルの10階くらいまで蹴り上げ、“ボールがビルの窓ガラスをぶち破る”という前代未聞の珍事が起こらないかとさえ願っていた。
 

これが秩父宮の隣に建っている伊藤忠商事のビル。土曜日に試合がある場合は、伊藤忠の社員の人たちが窓から試合を観ている姿がよく見られた。印象に残っているのは1989年に行われた「日本代表対スコットランド戦」。故宿沢監督が率いてスコットランドを撃破した名勝負。ビルの窓には多くの人たちの姿が見受けられた。 
私が40年近くラグビーを見てきた中で最も魅力的で惚れこんだ選手。そのエルナンデスが遂に来日するというのも、今回上京の理由だった。
ようやく秩父宮ラグビー場にたどり着いたのでこちらに続いて終わりです。