修学旅行の想い出(2)───台原中学校同窓会 昭和48年卒業のみなさんへ

昭和47年6月の修学旅行。
二日目の東京では確か鳳明館という宿に泊まりました。
場所は文京区本郷。
夜、部屋の窓から電車の走る光景が見えました。
暗闇の中、右から左へ。左から右へ。
夜遅いというのに数分おきに電車が行き交います。
「東京はこんなに頻繁に電車が走るんだぁ」
と驚きの念を抱きながら、ずっと見ていた記憶があります。
思えばあれが、私が東京への憧憬を抱いた最初の時だったのかもしれません。

それから約30年、20世紀から21世紀に変わった頃。
文京区に引越し、住み始めた私は
土日の休みの度に家の近くを自転車で探索していたのですが、
ふと当時のことが頭に浮かびました。
───そういえば修学旅行で泊まった宿はすぐそばの本郷だな───
と思いつつ、本郷周辺を走り回っていると───。

ありました。鳳明館という看板を見つけたのです。
ちょっとした高台にあるその宿は昭和の面影を色濃く残しており、
無形文化財に指定されているそうです)
ここが修学旅行で泊まったところか、と感慨深いものがありました。

しかし、30年以上経った東京の景色は一変。
線路の見えた方角には高いビルが立ち塞がり、
あの時のような電車の走る光景など全く見えませんでした。
考えてみれば、東京と言っても昭和40年代頃は
それほど高いビルなどなかったのですね。
あの時見たのは総武線の電車だったのか、という事実を知るのみでした。

イメージ 1

鳳明館別館

イメージ 2

こちらは逆方向から見た御茶ノ水から水道橋方向に走る電車。
もっとも、こちら側から見ると総武線ではなく中央線の電車になりますが。