「ウィキペディア」がどう作られるか知っていますか?

2016/07/24 08:56 カルチャー , イベント , 趣味・日記
インターネットを利用している人なら、
ウィキペディア」の存在を知らない人は殆どいないだろう。
昭和の時代は百科事典と言えば、H社から出版されていた、分厚くて10巻以上もある、でかい百科事典が主流だった。
値段も高く場所もとるので邪魔で仕方ないのだが、“何か分からないもの”に出会ったとき調べるのに、それ以外の手段がないのだから買わざるを得ない。
それも遥か昔の話。
今でも納戸に置いてあるが、私が使うことはない。
もっとも、年老いた私の両親などはネットを使えないので、時折、それを取り出して調べたりしているみたいだが。
インターネットが普及し、ウィキぺディアという“何でも百科事典”ができたことで時代は変わった。
分からないものに出会ったとき、ヤフーやグーグルの検索窓にその名称を打ち込めば、大抵のものは“ウィキ”で出てくる。
それでも、たまに“ウィキ”にさえも書かれてないものもある。
さて、そういうとき、どうするか?
自分で作れば良いのである(笑)。
例えば、私の好きな児童文学に、スウェーデンの児童文学作家“アストリッド・リンドグレーン”の著作で「名探偵カッレくん」という少年少女探偵団のシリーズものがある。
去年の夏(8月23日。履歴表示を見て分かった)に、この本の内容について文章を書こうとしたとき、細部で確証の持てない箇所に出会った。
夏になると毎年読み返すのだが、その時は時間がなかったので、「ウィキで調べたほうが早いや」と思った。
ところが「名探偵カッレくん」で検索すると出てこない。
著者の「リンドグレーン」で検索すれば、作品名だけは出てくるのだが、そこからのリンクがない。
つまり「名探偵カッレくん」についてウィキの記載がないのである。
そこで私は考えた。
じゃあ、これは私が作ろうと。
10年ほど前、「学都仙台」についてウィキで調べたとき、あきらかな誤りがあったので、私が修正した。
それをきっかけに、私はウィキペディアン」(ウィキペディアを編集する資格を持った人間)の一員になった。まあ、簡単な登録をすれば、誰でもなれます。
ただし、最初から作るのは初めてだったので、HTMLコード、タグの入れ方などに関する“注意事項”をしっかり読んでから取り掛かった。「名探偵カッレくん」シリーズに関する簡単な紹介だったので、2時間程度で終わった。
驚いたのは、その数時間後のことだ。
私が作った『名探偵カッレくん』の内容が、さらに深いものになっていた。日本中に何人のウィキペディアンがいるのか知らないが、その誰かが書き加えたのである。
私は「名探偵カッレくん」シリーズ全体について、簡単な紹介文を書いただけなのに、それに関する記述が増えていた。
例えば、“英語表記では〇〇”とか、“全三作のあらすじ”とか、“関連項目”として“NHKが制作したドラマがある”こととか。
「こうやってウイキペディアは随時更新され、作られていくのか」と、私は感動を覚えた。
今、下記をクリックしてご覧になれば、私が作った「名探偵カッレくん」が、ここまで細かく記述されていることが分かる。右上の「履歴表示」をクリックすると、その後、私も含め誰がどのように編集し直したかが書かれている。
名探偵カッレくん

※1年経った今でも
“この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2015年8月)”
と書かれているけれど(笑)。
参考文献など存在しないので、そんなものは書けない(私が手元の本を読み返し、記載したのが始まりなので)。
かように、“ウィキペディア”は作られているのである。
日本中、或いは世界中のウィキペディアンが日々参加し、膨大で、より正確な百科事典として存在させるために。
蛇足的な補足:「名探偵カッレくん」を作ったとき、お調子者の私はふと思った。これなら何でも作れるのではないか? いっそのこと自分の紹介をウイキペディアに載せようかと(笑)。
別に私はタレントでもスポーツ選手でもない。
ましてや、歴史上の偉人ではないし、ノーベル賞をもらうような有名な科学者でもない。(/・ω・)/
でも、これなら一般人でもウィキに載せられるのではないか? と考えた。まあ、シャレですけれど。
ウィキペディアに自分の名前を載せて紹介しても何のメリットもない。
あるとすれば、私が今やっている台原中学校時代の600人の同期生探しに少し役立つことぐらいだろうか。
でも私と同じようなことを考える人はたくさんいるのだろう。
ウィキを作成するときの“注意書き”には、こう書かれていた。
───PRなどに使用されるものは削除されます───と。
そりゃ、そうである。
そんなことが可能なら、あらゆる商品のPRに使えてしまう。
そこで、私も自分の紹介をウィキに記載するのをやめることにした。
ごく普通の一般人なので(笑)。
けれど、作って載せるのは原理的に可能なはずだ。
PRと判断されて削除されるまでに、何日、何時間、或いは何分かかるのか、知りたい気分もある。