仙台発名古屋行きフェリー(いざ名古屋城へ)

2016/05/18 21:31 地域の魅力 , 旅行・祭り , イベント
この話はこちらから続いています。
隣のテーブルに老年4人組が入って来た。
生の名古屋弁の会話を初めて聞いた。
大学時代、寮やサークルで日本中から来ている人間と知り合いになったが、何故か愛知県人はいなかった。
東京はもちろん、北海道、青森、秋田、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、神奈川、岐阜、京都、大阪、島根、佐賀、等々様々な地方から上京してきた人間と友達になった。
名古屋弁というのも、よく聴いているとなかなか味がある。
さすがに、“みゃーみゃー”とは言わなかったが。
何十年も通っている常連さんらしく、リタイアして、年に2、3回、仲間内で集まっているようだ。
お年のせいか「ご飯少なめで」などと注文していた。
私は完食し、満足して奥座敷を出た。
3000円というのは税別かと思っていたが、税込みだった。
この8%の違いは大きい。240円違えば、交通費が浮く。

勘定を払いながら、名古屋城への行き方を尋ねた。
栄駅は名古屋駅を東西に走る“東山線”と環状線の“名城線”が交わる駅である。名城線に乗れば2駅で名古屋城に近い「市役所駅」に着くので、そこで降りれば良いということだった。

どうも2階は普通の家らしく、おばさんがアイロンがけをしていた(笑)。
地下鉄の駅に降りる前に、洗面用具を購入できる店を探すと、すぐそばにドン・キホーテがあった。
船には歯ブラシも歯磨きも髭剃りもタオルもなかったのである。
船というのは、泊まるグレードで最も差別される乗り物である。
映画「タイタニック」を観た方なら分かるだろうが、あの時代(104年前)からそうなっている。

ロイヤルスイート、スイート、特等、一等など、難破して避難するときでも、その順番が優先されるはずだ。特等や一等はタオルやスリッパ、洗面用具なども付いているようだが、S寝台は何も付いていないのだった。
朝風呂からあがり、濡れっぱなしでいるわけにはいかないので、仕方なくタオルだけは船内で200円で購入したが、歯は指で磨いた。私はアフリカの原住民か、はたまた戦時中になったかと思った。
そこでとりあえず、何でも安いドンキで歯磨き粉付きの使い捨て歯ブラシ10本入りと、クリーム付きのシックの髭剃りを購入した。合わせて319円。家から持参すれば買わずに済んだ無駄な出費だが仕方ない。
再び地下鉄に乗って市役所駅で降りる。
そこから名古屋城の東門まで徒歩10分。観覧料は500円だから安いものである。外から金のシャチホコを撮影し、復元中の本丸御殿に入る。

言わずと知れた名古屋城金のシャチホコが輝いている。
鯱は”架空の生き物”と説明書きがなされていたが、言われてみれば、たしかに実際に海で泳いでいるシャチとは違う。ところでこの右に写っている黒いものは何だろう? 偶然写ったUFOか? 今見てとても気になった。

途中にあった加藤清正

修復中の本丸御殿

この虎の絵は、狩野派の誰かの絵だったよなあ・・・と日本史で習ったことを思い出したので、そばに立っていた係の人に尋ねた。誰とは言わなかったが、狩野派なことに間違いなかった。もちろん本物ではなく複製画であり、年に一度ほど(?)本物を拝むことができるらしい。そりゃあ、こんな柵もカバーもしてないところに国宝級の本物があるわけがない、と納得した。それと美術館でもそうだが、絵画の類は湿度に敏感なので、管理が大変なのである。私は大学の先輩が某美術館の館長だったり、仕事柄日本画家の方を存じ上げたりしているので、こういうのには詳しい、と少し自慢してみる(笑)。まあ、そんなことは誰でも知っている常識だろうが。

複製とは言っても、なかなか荘厳で美しく、素晴らしいものだった。かなりの腕の持ち主でなければ、こういったものの複製などできるわけがない。
本丸を見終り、天守閣へ向かう。
走り過ぎて疲れていたこともあり、階段ではなくエレベーターで一気に昇った。

5階(だったかな?)で一度降りて、そこからは階段になる。5階には、信長、秀吉、家康の3人の絵と説明書きがあった。考えると、戦国時代を終わらせ、日本を統一したこの三大武将は、みんな愛知県の出身なのである(ホントか?)。愛知県というのはなかなか凄い土地なのだと改めて思った。
天守閣からは外に出て見られるのかと思ったがそうではなかった。
狭い場所で、あっという間に一周した。
それほど感激しなかった。

これが天守閣の窓ガラス越しに見た名古屋駅方面の風景
名古屋の方には申し訳ないが、これなら信州の松本城のほうが上だと思う。
あそこは天守閣に上れば、外の空気が吸えたはずだ。
もう20年近く前の話だが、風も爽やかで見晴らしも良かった。
ちょっとがっかりした気分になった。
シャチホコ(もちろん偽物の)に座って記念写真を撮る修学旅行の中学生がはしゃいでおり、中学の修学旅行を思い出した。

これが似非シャチホコ(笑)。大きさは実際のシャチホコと同じらしい。ここに座って記念撮影できるようになっている。喜んで撮影していたのは中学生と中国人だけだった。
 
当時お決まりの宮城県内中学校の修学旅行コースは、日光、東京、横浜だった。
夜になっての怪談話。今となっては、何が面白かったのか全く理解できない枕投げ(笑)。女子の部屋に男子が行ったり、或いはその逆だったり。先生が見回りに来ると隠れたり。楽しい思い出だ。
中学生たちを眺めながら、椅子に座り一息ついた。
次はどこへ行こう?
るるぶ」を見て陶器の“ノリタケ”が運営しているミュージアムがあるのを見つけ、そこに行きたかったが、少し遠かった。
結局、1時間近くそこでのんびりしていた。
疲れも取れ、ようやく小腹が空いてきた。
散々考えた挙句、名古屋駅の地下街に行き、コメダ珈琲店シロノワールを食べ、その後創業明治23年(1890年)という元祖“吉田きしめん”を夕食にすることにした。
船は午後7時出港なので、6時からの乗船だ。
そのため、5時過ぎには名古屋駅を出発しなければならない。
熱田神宮まで行き「あつた蓬莱軒」の元祖ひつまぶしを食べ「いば昇」と比較してみたかったが、そこまでの若さと胃袋ではなかった。
市役所駅まで戻り、地下鉄に乗った。

これが名古屋市役所名古屋城を真似た洒落た建物である。

地下鉄の駅入り口さえも、歴史を感じさせる造りになっている。左に写っているのが修学旅行の中学生たちである。現在、仙台の中学校の修学旅行は、どこに行くんですかね?
 続きます。