仙台発名古屋行きフェリー(名古屋到着、名物ひつまぶしを食べる)

2016/05/17 21:25 地域の魅力 , 旅行・祭り , イベント
この話はこちらから続いています。
5月11日(水曜日)。
6時半頃に目覚めて、展望風呂に入る。
一晩中、船はかなり揺れ続けた。前夜には“お友達”からこんなコメントも送られてきていた。
Cさん:5月10日 17:15
 時間がタップリあって 波が静かと約束されていたら船旅最高ですねっ!! 降りて2、3日は まだ身体が揺れてますけどね(^^)
40年振りの船旅でもあり、本当に陸地について体が揺れるのかと思ったが、それはなかった。考えてみれば、私はこれまで一度も船酔いというのを経験したことがない。
生まれて初めての船上展望風呂が新鮮だったので、ラウンジに行き、コメントと写真をFBに載せた。
私: 5月11日 8:21 
海の上なう。船は揺れる。この時期に適切じゃないかもしれぬが、震度3の地震がずっと続いているように揺れ続けた。40年前もこんなに揺れたかね? それでも睡眠は充分。朝、揺れる船上で海を観ながら風呂に入るというのを50数年の人生で初めて体験した。高校の時は風呂に入った記憶がないので。なかなか良いものである。それにしても乗客が少ない。旅行はGW直後の平日に限る。陸地が見えた。石廊崎?らしい。
朝方はまだ小雨が降っていた。
とりあえず、甲板に出て何枚か写真を撮った。
名古屋着は10時40分だが、私は前日まで忙しかったので、乗船するまで名古屋での予定を立てていなかった。
滞在時間は実質5時間程しかないので、美味いものを食べて名古屋城を見学するくらいで終わるだろうと思っていた。
図書館から「るるぶ」を借りていたが、じっくり調べたのは、観光地よりも名古屋の美味い食べ物は何か? ということだけだった。
「フェリーを降りてから名古屋駅まではどれくらい?」と乗務員に尋ねた。
名古屋駅に最も早く着くバスは11時12分発らしいので、降りてから30分も待たねばならない。30分はもったいない時間だと思ったが、高い金を払ってタクシーに乗る気もしなかった。
前の晩に、昼食は「味噌カツ」にしようか「ひつまぶし」にしようか迷っていたが“お友達”の助言もあり「櫃まぶし(ひつまぶし)」に決めていた。
どの店が良いか尋ねると、熱田神宮そばにある「あつた蓬莱軒」というのが有名で美味いらしい。
「ひつまぶし」という名称自体が、「蓬莱軒」の登録商標なのである。
ただし、その店の混雑はすさまじいらしい。それでもGW直後の平日なので“早めに行けば大丈夫だろう”と高を括っていた。
バスに乗り、「あおなみ線」の野跡駅に着く。
電車が到着するまで10分以上あったので、念のため「あつた蓬莱軒」に電話を掛けた。
電話で確認して助かった。
11時の段階で、すでに満席で、空き待ちということだった。
どんなに急いでも、私が着くのは12時過ぎになる。その時間になれば、行列になっているに違いない。初めての名古屋が、“1時間以上行列に並んで「ひつまぶし」を食べる“だけで終わってしまう可能性さえある。
「あつた蓬莱軒」を諦め、他の店を調べた。
るるぶ」には、“ひつまぶし”の有名店がその他にも何店か載っていた。食べ終えた後は名古屋城に行くので、通り道にあるところが便利でありがたい。すると地下鉄東山線「栄駅」にある「いば昇」というのが目に留まった。その店も、“ひつまぶし発祥店”のひとつであり、創業明治42年(1909年)と100年以上も続く老舗らしい。
デパートのレストラン街にも有名店が入っているらしいが、それでは風情がない。
写真を見ると、木造で古い佇まいを残したような店だったのでそこに決めた。ただし「あつた蓬莱軒」の行列に不安を抱いた私は、そこにも確認の電話を掛けた。行列というほどではないようだ。
乗り換えと駅の地図を再確認し、名古屋駅で電車を降りると走った。
どうも私は、旅行に行くと毎回どこかで全力疾走している(笑)。

大阪でも思ったが、名古屋も地下鉄やJR、私鉄などがたくさんあり、入り乱れている(仙台も東西線の開通やエスパルが新しくなり、分かりにくくなったけれど)。
JRから地下鉄東山線まではかなりの距離があり、しかも途中で場所が分からなくなった。その間、走りっぱなしである。重い鞄を抱えながら。
係員に尋ね、ようやく東山線の乗り場を見つけ、駅のホームに着いた(これは距離にすると相当走った。名古屋駅の構内周辺は地下と地上が複雑で、なおかつ地下街が異様に広い。帰りも地下構内で道に迷うことになる)。
このとき、すでに11時40分。
もう気が気ではない。12時過ぎれば混雑が予想されるからだ。でも電車はすぐに来て、乗っている時間は4分ほど。電車の最後尾に乗り、そちらの改札から出ればすぐだということは分かっていた。
また走った。ホームを。地下街を。地上に出てからも。
服などは殆ど入ってないのだが、PCやら、充電器やら、カメラやら、本やらが入っているので鞄が重くてかなわない。
汗だくになりながらも「いば昇」がすぐに見つかった。
外に並んでいる人間は誰もいない。
ホッと胸をなでおろし、道路の向かい側に渡り、写真を撮ってから玄関のドアを開けた。
中は石畳で、歴史を感じさせる風情のある建物だった。
「1人」と言うと、奥の座敷に案内された。
お品書きを見て「櫃まぶし」と「肝吸い」を注文した。

写真の上のほうがくすんでいるのは、鰻を焼いている時の煙。鰻屋に来てこの煙と匂いを鼻にしたら、もう入らずにはいられない。

このような座敷が奥に何部屋もあった。

鰻がたっぷり一尾入っており、甘すぎないタレも美味かった。肝吸いが200円で、合わせて3000円である。安い!! ※”お友達”から「あつた蓬莱軒」のは鰻がびっしり詰まっていてご飯が見えない、という指摘がありました。そこで、「いば昇」の名誉のために付け加えると、ここでは他のお店のように敷き詰めずに、鰻が重なっているので、断じて「蓬莱軒」より鰻が少ないということはないと思われます。私も一瞬「鰻少なくないか??」と見えたのですが、実際食べてみると、下にもたくさん鰻がありました(笑)。つまり、”敷き詰める”という行程を省くことで他より少しだけ(2~300円)安いのでは? という気がします。