「お雑煮離婚」───「貧乏人のお雑煮」発言は大丈夫だったのか?

さて、「全国のお雑煮」こんなものから、あんなものまで。
或いは様々なエピソードのご紹介です。色々なお話がありました。

お雑煮の餅で歯が欠けた!!
静岡県にお住いの30代女性から
主人が大阪出身で、丸餅を焼いてお雑煮に入れますが、こちらでは切り餅を焼かずに入れますので、主人曰く、「切り餅は角が立って縁起が悪いし、お雑煮の中で餅が溶けているみたい」と言って食べないので、丸く切ってカチカチに乾燥させてお雑煮に入れてやりましたら、主人の前歯が欠けてしまいました。

私感:よほど旦那様をぎゃふんと言わせたいほど、恨み骨髄の出来事があったのかもしれません(笑)。


大阪府にお住いの20代女性から
母は富山出身ですが、〇〇さんと同じくほうれん草、大根、かしわ、のすまし汁。ところが、香川出身の祖母がいる父の実家(大阪)のお雑煮のおもちには“あんこ”が!! お雑煮はあっさりに馴れている上、あんこが苦手だった小さい私には食べられませんでした。

私感:○○というのは私の苗字です。当時は、敢えて実名を出して楽しんでもらえるようなエピソードを書いたメルマガを配信していたので、読者の方々にかなり親近感を持たれていたようです(笑)。それはともかく、香川県のあんこ餅入り雑煮。今でこそ結構知られるようになりましたが、これを知った時は本当に驚きました。あの汁の中から甘い餅が出て来るなんて香川県人はどういう味覚をしているんだろう? と不思議に思ったものです。香川県の方々も自覚していたらしく、多くのメールをいただきました。


東京都にお住いの40代男性から
我が家は父方、母方どちらの祖父、祖母、私の父、母そして妻と私、みんな東京生まれで東京育ち。親戚もみんな東京なので、ごく普通の東京のうす~い醤油味の雑煮しか食べた事がないんです。入るのは、鶏肉・大根・里芋・小松菜・なると・三つ葉・餅です。私も妻もこの雑煮で結婚してからも運良く? 変わりません。でもこれしか知らないので、私からすると夫婦で違う雑煮を知っているというのは、むしろうらやましい気がしますが、そんなに甘いものではないのでしょうか~?

私感:そんなに甘いものではありません。他のご家庭のバトルを読むとよく分かります。


京都府にお住いの20代女性から
私は関西育ちなのですが、両親共に岡山出身で、お雑煮は澄まし汁に丸餅です。具は、ぶり、はまぐり、かまぼこ、ゆりね、ほうれん草等々……。父方・母方の具が融合されたらしく、山のもの、海のもの、とにかくバラエティーに富んでいます(^-^; 今回、私も結婚して初めてのお正月を迎えるのですが、旦那様は茨城の人。茨城は一体どんなお雑煮なのか、そして我が家のお雑煮はどんなものになっていくのか、ちょっと楽しみです。

私感:こちらの新婚夫婦もどんなお正月を迎えたのでしょう。私が推測するに、上品な京都風と、関東でもかなり味が濃い目の茨城では、全く違ったお雑煮に驚き、楽しみより恐怖を味わったのでは? と想像するのですが……。「お雑煮離婚」などに至ってないことを願うのみです。


大阪府にお住いの30代女性から
我が家の母(広島県出身)が作る雑煮と父(福岡県出身)が思う雑煮とは、天と地ほども異なるものなので、結婚当初は、それだけで喧嘩の種になっていたそうです。ちなみに、父のほうの雑煮は、濃い口の味噌仕立てで、野菜中心。母の作る雑煮は、魚介(もしくは、鶏)中心のすまし仕立て。結婚35年の今では、もちろん、母の味になっています。

私感:やはり料理に関しては妻の主張のほうが勝つということなのでしょうか。


埼玉県にお住いの30代女性から(出身は長野県)
こんにちは。私のお雑煮を紹介したいのですが、まず、〇〇さん! 長野県と言っても広いのですよ!! ウチの母も祖母もバリバリの(死語ですか?)長野県長野市の出身ですが、お雑煮の中身はお醤油汁ベースの鳥肉入り。そこに拍子切りにした大根、人参がたっっっっぷり入っていて、そこに焼いた長方形のおもちと三つ葉を彩りよくあしらった、ヴォリュームも見た目も、勿論味も満足するお雑煮ですっ!とは言っても友人の家庭のお雑煮を覗いたことも、話題にしたこともないので、近所の人でもどうなのかわからないのですが、長野県の他の方々はどうなのでしょう?
ウチの家庭ではまだ、結婚1年目で今年の正月は私の実家と旅行に行っていたので、まだお雑煮戦争(?)は勃発していません。今度のお正月は作る予定です。今のところ私の料理に対して正直に感想を言ってくれている方だと思うので、怖いような楽しみなような気がします。また、その後のご報告が出来ることを楽しみにしています。

私感:「こんにちは。」とか、「まず○○さん!」とか、このタメ口風語りを読むと、私がいかにメルマガ読者に慕われていたかを窺い知れる文章だと思いました。一度も見たことも声を聞いたことも会ったこともないのに(笑)。その後、ご報告をいただいた記憶がないので、想像だにしなかった恐怖の『お雑煮戦争』が勃発したのではないでしょうか?


東京都にお住いの20代女性の方から(出身地は千葉県)
家のお雑煮。わが家のお雑煮は至ってシンプル。醤油ベースの味付けに大根、油揚げ、鶏肉です。お餅はゆでもちです。だから失敗の日はお餅がドロドロです(泣)。お年寄りでも食べられるようにと最近思ってます。そして個人で、削り節・青海苔・ヒバ・大根の葉っぱです。食べた後は青海苔だらけ大口開けて笑えねぇ~。

私感:妙齢の女性が歯に青のりだらけで笑った日には・・・・・。考えただけで恐ろしいものがあります。


愛知県名古屋市にお住いの30代女性から
私が住んでいる名古屋では、とても普通でシンプルなお雑煮を食べます。出汁に醤油で味付けをして、小松菜をいれておもちを煮ます。お正月だけは鰹節をかけて食べる・・・と本当に簡単ですが、おいしいんです。
ところが!夫は大阪出身で、実家は京都に近い大阪府です。お正月に里帰りをすると、なんとお雑煮が甘いんです。原因は白みそなんですが、入っているのが大根とニンジン。しかもこのニンジンがまた甘いんです~(涙)。
お醤油味だけのお雑煮に慣れている私には、とても食べられません。でも夫は「おいしい~ やっぱりこの味や!」と・・・えええ~!?作れないよ~。でも夫のお父さんまで「この味に慣れてもらわんとなぁ。」と言うし。いやだ~!! 絶対絶対、甘いお雑煮なんてごめんだ~~~!!

私感:新婚の奥様の切実な悩みが聞こえてきそうな文面です。こういった方が「お雑煮離婚」への道をたどったのではないかという気がします……。


愛知県にお住いの40代女性から(出身は三重県
結婚して初めて名古屋のお雑煮を食べました。具はもち菜という青い菜っぱと椎茸が入っているだけで、あとはかつおぶしを振りかけて食べます。きしめんがお餅に変わっただけのような寂しいお雑煮ですが義母は具をたくさん入れるとお餅の味が変わると言います。私は具のいっぱい入ったお雑煮を食べたいのですが作るのが簡単だし、お金がかからないので最近は名古屋風になってきました。なんでも節約家の名古屋らしいお雑煮です。私は密かに貧乏人のお雑煮だと言っています。

私感:その後の15年間「貧乏人のお雑煮」という発言が、くれぐれもお姑さんなどに聞かれなかったことを祈っております。


熊本県にお住いの(これは家だけだと思う)という30代女性から
あれは、結婚して初めてのお正月でした。だんなの実家でお雑煮を食べるとき、見た目は私の実家のものと同じ。しょうゆ味の中身はもち・大根・しいたけ・こんぶ・里芋・人参などで、「いただきま~す」と食べようとする私に、みんなが「ちょっと待った~」。なんとその上にあま~い小豆をのせたのです。
それは、とてもおいしいといえるものではありませんでした。そのままが絶対おいしいです。義父には「この家に嫁にきたらこれを覚えろ」と言われてこれからどうしようと悩んでいます。

私感:この方も、その後どうなったでしょうか? 気になります。


宮城県にお住いの30代男性から
“芋がら”が美味いのに「これ何?」って言われるとガッカリ来る。

私感:“芋がら”が正式名称なのでしょうが、私の実家では“からどり”と言います。この方は私と同じ宮城県なのに何故に“芋がら”と呼ぶのだろうか? と気になったので調べました。すると全国で名称がかなり違うということが判明しました。“からとり”と呼ぶのは宮城県でも仙台市だけのようです。
以下、WIKIより引用です。

いもおじ(芋茎) - 京都府京都市滋賀県滋賀郡、東京都伊豆諸島、富山県砺波郡、高知県土佐郡
いもじ(芋茎)、いもじっこ(芋茎子) - 東京都三宅島
いもんじく(芋の軸) - 香川県
からとり(幹取) - 宮城県仙台市山形県鶴岡市
ずい(髄) - 東京都八王子市
ずいくき(髄茎) - 島根県鹿足郡
たつ - 岐阜県飛騨地方、恵那郡
だつ、いもだつ - 岐阜県美濃地方、愛知県尾張地方、新潟県佐渡
といも(唐芋) - 新潟県北蒲原郡
とうのいも(唐の芋) - 奈良県吉野郡
みずいも(水芋) - 熊本県玉名郡
といもがら - 鹿児島県
なお、青森県、石川県、京都府丹後地方、兵庫県北部、鳥取県山口県などでは、地下の芋や植物全体をもずいき(いも)、ずきなどと呼ぶ例がある。

よくぞまあ、これほど呼び名が違うものです。びっくりです。私の実家で“からどり”と呼ぶのは“からとり”が訛ってそうなったのでしょう。それにしても宮城県でも仙台市だけだったとは。本当にそうなのですかね? 未だに疑問ですが。


京都市にお住いの20代女性から
私は京都生れの京都育ちですが、実母が大の京都ギライで(母は横浜育ち)、
昔からお雑煮は鶏ガラを何日か火にかけてダシを取り、中に丸餅、鶏肉、なると、三つ葉、白ねぎ、しいたけなどを入れ、お醤油等で味付けした、中華風のようなお雑煮です。結婚してもそのまま「母の味は娘に」です。
主人が九州出身の大阪育ちだろうが、そんなことはお構いなし。なぜって我が家は恐妻ですから。ふっふっふ。文句があるなら自分で作ればいいのよ! って感じです。今や旦那の家の味を守る、なんてそんな“ちまちま”したこと言ってちゃいけません! そんな時代は終わったのよ・・・。ほっほっほ。お料理する人の食べたいものを作ればいいと思います。以上。

私感:この文章の最後の“以上。”という締め方に、何者にも屈しようとしないこの女性の強い意志を感じるのは私だけでしょうか?


福島県にお住いの40代男性から
高校を卒業後、四国香川県木田郡庵治町に彫刻の勉強に行き、初めての正月に師匠の家で 食べた雑煮を食べたとき、餅の中に餡が入っているのに驚きと同時に白味噌の風味と餅の食感と餡の甘さが一体となり不思議なおいしさに、驚愕しました。

私感:ほら、香川県(他の地方でも存在するようですが)以外の方々が否定する「あんこ餅入り雑煮」は、不思議な美味しさらしいんですよ。本当なのでしょうか? 私も未だに食べたことはありませんし、美味しいとは思えないのですが・・・・・。

ということで長くなりましたので、またまた(続く)とさせていただきます。<(_ _)>