「お雑煮離婚」───へ至る道。

さて、この「お雑煮離婚」

実は、記憶だけを頼りに書くのは結構難しいなあと悩んでいたところ、1月11日早朝、サブのサブとして残しておいたデスクトップPCから突如見つかった、当時(15年前)のメルマガ読者からの返信の数々。

私は、ネット上で見かけた興味深い文章から、自分で書いた仕事上の対外的な文章、或いはプライベートな文章まで、PCを変える度に八割くらいは残してデータを移行していたので、それが幸いしました。

その後、どこかで使おうという気持ちなどさらさらなく、自分自身で「これ面白いよな」とか「名言だなあ」と思い、捨てるのに忍びなく、ちょっとした文章でも残していたのですが、まさかそれがここで活きるとは。

当時返信いただいた方々のメールを読んでいたら、これはそのまま載せる方が面白いと思ったので、誤字脱字のみ修正し、ほぼそのまま(長いのは多少省略しますが)載せることにしました。
ものによっては、私がタイトルを付けたり、感想を最後に付記しています。
註:使用許諾については、匿名を条件にその時点でいただいています。

では、送られてきたメールの数々をご覧いただき、いかに地方によって「お雑煮」が違うか、それと共に“各家庭における様々なエピソード”をもお楽しみください。
(当時のメルマガ読者の方々がこれを読んで「あ!! 昔私の送ったメールだ!!」なんてことがあると、さらに面白いですが)

北から順番にとかも考えましたが、数が多く、調べながら並べ替えるのは結構大変な作業になるので、ランダムに発表します。<(_ _)>

(では、長くなるので続くとさせていただきます(笑))。

とかここで書いたら、読むのを楽しみにされている方々が激怒しそうなので、まずはとりあえず、いくつかご紹介させていただきます。


岡山県にお住いの30代女性から
お雑煮のエピソードといえば横浜に行ってのこと。「お餅何個食べる」って訊かれたとき3つと答えたところ、丸餅ではなく5センチ×10センチの超でかいお餅が3つ入っていてビックリでした。まだ高校生でうぶい私は、心の中で「なんで~」と叫びつつ泣きたくなりました。誰がこんなに食べるんだ!!  そんなぁ…。しかたなく食べ始めたら今度は、お汁の辛さに箸が止まってしまいました。友達の親戚の家だったのでいらないとも言えず我慢して食べました。もちろん半分以上残すことになったのですが……。この日の観光は胃の中の異物と戦いながら最悪のものとなりました。もう二度とあんな物食べたくないぞーと叫んだのは言うまでもありません。やっぱり汁は薄味、お餅は丸餅に限ります☆ミ(*^▽^*)ノ彡☆ 

私感:岡山では丸餅が当然と思われているようですが、仙台では角餅が一般的ですね。この文章だけでは分かりませんが、5センチ×10センチが縦横だとすると、仙台では少し大きい程度だと思います。厚さが5センチなら話は別ですが。(/・ω・)/


奈良県にお住いの20代女性から
今春、結婚をして今は奈良に住んでいます。結婚前はずーっと実家の京都で、京都と言えば、お雑煮は白味噌です。で、母が作るのもその通り白味噌で、まるもち(焼いてないです)、野菜などは一切入ってなくって、というお雑煮でした。今年は私が作る初めてのお雑煮なので、主人とどのように意見が食い違うか?! 書いておられた離婚なんてことにならないように気をつけたいです。

私感:思い出しましたが、この「お雑煮アンケート」をお願いするときに、訊いた話で、実際に「お雑煮離婚」なるものがあったそうです。と書いて送ったのでした。この後、この新婚夫婦は無事に危機を乗り越え、幸せな夫婦生活を送られていることを願ってやみません。15年経った今、とても気になります。※あとで紹介しますが、実際に「お雑煮離婚」経験者からの返信があったのです。


会津にはお雑煮がない!! 元旦にはお餅を食べない!!
神奈川県にお住いの30代女性から(出身は福島県会津地方)
私の田舎では(全てのお宅がそうではないと思いますが)雑煮という名称のものはないのです。かつ、お餅は元旦の朝には食べないのです。雑煮に近い物といえば、しょうゆベースで、具はいわゆるトン汁の具。白菜、人参、豚バラ、長ネギ。しらたきやごぼうが入っているときもあります。その中に以前は食べるときに餅をつき、できたてを入れていました。“つゆ餅”と呼んでいます。もちろん、つきたてなので、きなこやあんこ、納豆もちなどにもします。私はそれが当たり前だと思っていたので、東京に出てきて料理番組などで、焼いたお餅を入れているのをみてびっくりでした。焼いたお餅は醤油と海苔が普通だろうと思っていたのでWショック。焼いたお餅を汁物に入れるのはちょっとゲテかな思うのですが……。未だに食べたことがありません。各地方の雑煮を見ていると私には?? と思ってしまう組み合わせもありますが、とても興味があります。井の中の蛙ではいけないですね。

私感:「焼いたお餅を汁物に入れるのはちょっとゲテ!!」 宮城県の方々にとっては当然のことが「ゲテ」と言われてしまっては・・・・・。これほど地域、地方、各家庭によって大きな違いがあるのです。


広島県にお住いの30代女性から
うちのお雑煮はすまし仕立てで、ぶりや牡蠣の海の幸がはいります。あとは大根とかの野菜も少し入ります。ですが、愛媛県の貧しい漁村出身のうちの父は、子供の頃、あんもちにお湯を注ぎ、砂糖を少々入れただけのお雑煮を食べていたようです。一度真似して食べてみましたが、果たしてまずかったです(笑)。でも父は「これがごちそうじゃったんじゃ……」と言っておりました。そんな時代だったんですねぇ……(しみじみ)。


「雑煮は男が作るもの!!」
神奈川県にお住いの50代女性から
雑煮は男が作るもの、ということで、毎年私は主人が「できたよ」と声がかかるまでのんびりと新聞・テレビを見ています。「男子厨房に入らず」とのことから、正月ぐらい主婦はのんびり、ということからの風習でしょうが、私の主人は日頃から台所に立って、料理、後片づけをしています。なんか、悪いかな?

私感:いやいや、悪いことなんて滅相もありません。ただただ、旦那様を完全に尻に敷いた貴女の素晴らしさに脱帽するのみです。

青森県にお住いの30代女性から(出身は東京都)
うちの雑煮はいわゆる関東風です。具は鶏肉、大根、にんじん、サトイモ、かまぼこ、などを昆布出汁で煮て、しょうゆ、砂糖、みりん、酒で味付けします。もちは角餅、焼いていれます。お雑煮というより豚肉なしの豚汁みたいなんですが具沢山で美味しいです。うちの主人は結婚した当時、雑煮なんか美味しくない、実家でも食べたことないと言っていたので、だまされたと思って食べてごらんと、食べさせました。すると、「ん、んん、うまい。いける」といってパクパク食べたんです。勝ったと思いましたね(笑)。結婚十二年を迎えた今でも、彼の実家で雑煮を食べたことはありません。どんなものなのか謎だけが残っています。

私感:このメールをいただいてから15年。ということは、もう結婚27年になっていると思われますが、今でも旦那様の実家のお雑煮を食べたことはなく、謎のままなのでしょうか? とても気になります。

まだまだ、このあたりは本当に序の口です。(長くなり過ぎるので続く(笑))