「お雑煮離婚」??

私は東京在住時、某企業にてネット通販の業務もしていた時期があり、そのとき、様々なメールマガジンを発行していました。

メルマガはお客様との重要なコミュニケーションツールなので、みなさんが興味を持つように、その時々の話題に触れて書いていました。

12月になったので、翌年の正月の話題について書いたときのことです。全国に読者がいるので「みなさんのお雑煮はどういうものですか?」という質問を投げかけ、メールをお送りいただいた方から抽選で数名の方に商品プレゼントをさせていただきます、というメルマガを流しました。

すると、その反響の凄まじかったこと。食べ物の通販サイトだったこともあり、「食」に関するこだわりはみなさん強かったのですね。

何百通もの返信が来て、読むのが大変でした。でもそのとき「お雑煮って地方によってこんなにも違うのか」と初めて知った事実に驚いた記憶があります。

まず可笑しかったのが、わが宮城県のお雑煮について。私は仙台出身だとメルマガに書いていたこともあり、仙台の主婦の方から送られて来たメールに「わたしも〇〇さんと同じ仙台なので、ハゼで出汁をとったお雑煮です」と書かれていたことです。

それを読んだ私は「えっ? ハゼ? 仙台ってハゼなの? うそ?」と思いました。
何故なら、私の両親は二人とも根っからの仙台人なのですが、ハゼで出汁を取ったお雑煮など、生まれてこのかた一度も食べたことがなかったからです。

そこで私は仙台にいる母親に電話をかけ、問いただしました。
「訊きたいことがあるんだけどさ、仙台の雑煮ってハゼ使うの?」
「うん、ハゼ使うみたいだね」
母親は、こともなげに答えました。
「だって、うちはハゼなんか使ったことないじゃない」
「それは、私がハゼ嫌いだからだよ」

まさに、40年以上生きてきて(当時)初めて知った驚愕の事実(笑)。ハゼを出汁に使うべきなのに、単に母親が嫌いなので使わなかったのか。本当にびっくりしましたね、これを知ったときは。

でもこれは、我が家だけの事実を初めて知ったという、ほんの序の口。ここからが、全国のお雑煮の驚くべき違いを知ることになる始まりでした。
(長くなるので、「続く」とさせていただきます)