師走の京都───40年振りの再会(その6)


豊臣秀吉没後、その菩提を弔うために秀吉の正室である北政所(ねね)が開創した寺である。寺内には円徳院、春光院、月真院、玉雲院、岡林院などの子院がある。春と秋の夜に行われるライトアップでは、広大な境内が照らしだされ、幻想的な表情を見せる。

この“秋の夜に行われるライトアップ”はこの日が最終日前日であり、夜景マニアのぼくとしては、それを見たかったために、高台寺に行き、その後に夜の祇園先斗町歩きというスケジュールを頼んだのだ。

そのため、一度通り過ぎた高台寺に再び戻ってくるという形になり、歩き方としては、かなり効率の悪い行程を選択する羽目になった。まあいずれにせよ、駐車場には戻らなければならないのだけれど。

でも、高台寺のライトアップは圧巻だった。

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竹林もあってライトアップされていたので、嵐山で見るのを断念したものが、ここで見られたことも幸運だった。

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さらに、行った時間に最近流行のプロジェクションマッピングも行われており、これがまた感動的な美しさだった。

幻想的なライトアップを存分に堪能した後、ぼくらは祇園先斗町に向かった。

Iさんからは、夜の散歩のおすすめコースとして、
木屋町通りは高瀬川に沿っているのですが、この高瀬川と鴨川との間に、人がわずかに通れるような細い路地があります。Google mapで確認してみましたら、三条通りと木屋町通りが交わるところからワンブロック南下したところを左に折れると「餃子の王将三条店」があるようです。その店の前を通って突き当たる手前右手から続く路地です。先斗町歌舞練場が左手にあるはずです。この路地が夜はなかなか風情があって、ぶらぶらと南下して四条まで歩くとよい感じ。四条まで来ると、四条通りに出て、とても賑やかな鴨川を渡る「四条大橋」という橋に出ます。そうしたらこの四条大橋を渡って反対側の祇園の街に足を踏み入れましょう。”

という、見事に詳細なアドバイスをもらっており、T君にもその旨は行く前にメールですでに伝えてお願いしていたのだが、ぼく自身は、事前にGoogle mapで確認する時間もなく、前日のホテルでガイドブックを見て、ようやく細い路地の位置関係を突き止めた程度の全くの京都初心者。

優秀な大学生から、いきなり数Ⅲの難解な講義を受けた小学生のようなもので(笑)、暗くなった祇園先斗町の区別もつかず、ひたすらT君の後を歩くだけだった。

ところが、さすがにT君はしっかり理解していたらしい。
迷子になった錯覚を覚えたぼくだったが、彼女に薦められたコースを、逆に祇園の街から入り、三条から南下して四条大橋まで歩き、四条大橋を西に渡ってから北上するという形で来ていたのだと、風情のある細い路地を歩くようになって、ようやく知ることになる。

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江戸時代(元和年間)から続くとされる日本最古の劇場「京都四條南座」。
何の建物だったか忘れてしまっていたのだが、何とかGoogle mapで探し当てた。

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これが、Iさんお薦めの先斗町の細い路地。たしかに夜に歩くと風情がある。

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こんな感じで道の両側に様々な食事処が立ち並ぶ。

この路地を散歩してから、ぼくらは車を停めていた駐車場に戻り、そこから琵琶湖近くのホテルに向かい、40分ほどで到着した。

これにて初日の京都観光は終了し、ホテルに荷物を置いて、呑み屋へ向かった。
40年振りの台中昔話やラグビー談義、オフコースとの出逢いなど会話は弾み、閉店時間の深夜2時近くまで話題が尽きることはなかった。

(二日目の琵琶湖、奈良、大阪、神戸編に続く)