───台原中学校三年の大晦日の夜


昭和47年12月31日。
台原中学校三年生として迎えた大晦日
レコード大賞紅白歌合戦を見終えた私は
深夜、父親と一緒に自転車で近くの東照宮に向かいました。
そう、三か月後に迫った高校受験合格を祈願するために。
真夜中の東照宮は初詣に来ていた多くの人で賑わっていました。 


私はこの時の光景を今でも鮮やかに思い出すことが出来ます。
まだまだ子供だった私たちが、
初めて迎える高校受験という人生の大きな試練。
それは子供心にも大きなプレッシャーを与えるものでした。 


その時、私の耳の中で鳴り響いていたのは───。
数時間前にその年のレコード大賞を受賞した楽曲。
ちあきなおみさんの「喝采」でした。


今でもこの唄を聞くと
あの大晦日の深夜の東照宮の賑わいが瞼の裏に浮かんできます。
台中卒業を間近に控えた私の心に残った昭和の名曲です。


ちあきなおみ 喝采